前橋市の「空き家問題」を徹底解剖

2025年06月27日

"前橋市の「空き家問題」を徹底解剖


— 高齢オーナーが押さえておくべき最新事情と具体策 —

前橋市には現在、およそ26,000戸の空き家が存在すると推計されています。
これは市内全住宅のおよそ6分の1に当たり、県内でも突出した規模です。
背景には人口減少・高齢化に伴う単身化、相続後の管理放置、そして住み替えの促進策が十分に機能してこなかったことが挙げられます。
市は2025年3月に「前橋市空家等対策計画」を改定し、発生抑制と利活用促進を2本柱に新たな行動計画を打ち出しました。

 

1. なぜ高齢オーナーほど「空き家リスク」が大きいのか
高齢者が空き家を所有し続ける場合、第1に固定資産税と維持費用の負担が年々重くのしかかります。
住宅としての利用実態がなくなり草木が伸び放題になると「管理不全空き家」と判定され、固定資産税の住宅用地特例が解除される恐れがあります。

解除後は税額が最大で6倍になることもあります。
2023年12月に改正空家特措法が施行されて以降、この判定はより厳格になりました。

 

第2に老朽化が進むと倒壊や部材落下の危険が高まり、所有者責任が問われるリスクも増えます。
損害賠償の対象は家屋だけでなく、隣地への越境樹木や害獣の繁殖など多岐にわたります。


第3に認知機能の低下や身体機能の衰えから、適切な管理を自力で続けることが難しくなります。
結果として「気づいたら行政指導が来ていた」というケースが少なくありません。

 

2. 数字で見る空き家の現状と将来予測
総務省の住宅・土地統計調査(令和5年速報値)によると、群馬県全体の空き家率は16.7%で、全国平均を上回っています。
前橋市は県内でも空き家率が高いエリアで、2040年までにさらに約2万戸の空き家が増えると試算されています。
年間1,300戸超のペースで増加する計算です
これほどのスピードで空き家が増え続けると、地域の防災・防犯・景観に深刻な影響を及ぼします。
行政コストも跳ね上がり、最終的には住民全体の負担となるため、早期の対策が求められています。

 

3. 空き家を「負動産」から「地域資源」に変える3つのシナリオ
① 解体して更地化し、用途変更に備える
築年数が古く構造的に再生コストが見合わない場合は、思い切って解体することでリスクを先送りせずに済みます。
解体費用は木造30坪で100万円前後が目安ですが、市補助金と併用すれば自己負担を抑えられます。
更地は駐車場や家庭菜園用地としての需要が高まっており、地元事業者と共同で時間貸し駐車場を運営した事例もあります。
② リフォームして賃貸住宅や2拠点居住向け物件に転換する
テレワーカーや若年層は、都市圏より家賃が抑えられ、自然環境にも恵まれた前橋の中古住宅を「DIY可能物件」として評価する傾向があります。
市の補助金を使って水回りと断熱を中心に改修し、Wi-Fiを整備すれば月5〜6万円で貸し出すことも可能です。
③ コミュニティ拠点や福祉施設への転用
前橋市は改定計画で「地域サロン」や「子育て支援拠点」への空き家活用を重点方針に掲げました。
既に市内では築60年の古民家をデイサービス施設にリノベーションしたケースがあり、バリアフリー改修費用の一部を市の介護保険制度が補助しています。
こうした公共性の高い活用は、固定資産税の優遇措置や助成金を受けやすい点も魅力です。

 

まとめ
前橋市の空き家は、放置すれば税負担とリスクが膨らむ「負動産」ですが、適切に手を打てば地域に新たな価値を生み出す「地域資源」へ転換できます。
特に高齢オーナーは体力や判断力の低下を見据え、早めの意思決定と家族・専門家の巻き込みが不可欠です。
市の補助制度と最新の法改正を味方につけて、空き家を未来につなぐ資産へと再生していきましょう。

ご相談は、以下の電話番号よりお気軽ご連絡ください。
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